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思いついたことをつらつらと




「The BIG FELLAH」6/6マチネ :: 2014/06/08(Sun)

NYに暮らすIRA兵士達の、1972年から2001年までの数十年の物語。
IRAが題材なだけに、重たいし残酷シーンもあったけれど、グイグイ惹きこまれてあっという間の3時間でした。いい役者さんにいい脚本、いいなあ。

【出演】
デヴィッド・コステロ(内野聖陽)/ルエリ・オドリスコル(成河)/マイケル・ドイル(浦井健治)/カレルマ(町田マリー)/トム・ビリー・コイル(黒田大輔)/エリザベス・ライアン(明星真由美)/フランク・マカードル(小林勝也)

根が深いアイルランド問題、物語に入っていけるのかしらと正直不安でした。でも登場人物が警官や消防士だったり、OdやMcで始まる苗字など、ベタなアイリッシュの人物設定に助けられました。マイケルの部屋のインテリアがどんどん変わっていくのも面白かった。特に壁に貼られたバンドのポスターが興味深かった。

マイケルのアパートで起こるさまざまな出来事、登場人物達による説明はほとんどなく、淡々と進む物語にかえってリアリティを感じました。また、浴室で撃たれたのは本当は誰だったのか、ルエリは逃げのびることができたのか、9/11にマイケルとトム・ビリーは無事だったのか、余韻を残す演出も秀逸でした。

コステロ(内野聖陽)
舞台の内野さんは初めてでしたが、映像で観るのと同じいい役者さんでした~。人生の成功者が、年齢と共に見せ始める弱さが魅力的でもあり無情でもあり。内野さん圧巻でした。それにしても客席に漂ってくる葉巻の香りは強烈だった・・・

ルエリ(成河)
すべり続けるルエリのギャグ。てっきりお笑い担当かと思いきや、時折見せる心の襞がこれまた魅力的。成河さん、達者すぎます。

マイケル(浦井健治)
この物語の唯一の良心。IRAに身を投じても真面目で純粋なマイケルは、いかにも浦井君らしい。そんなマイケルは、9/11に消防士としての使命を全うしたのじゃないかなあと思うのです。それにしてもキルトスカートがめちゃ似合っていて、丘の上の王子様みたいだった。パンいち姿には焦ったけれど、スタイルの良さも堪能。あ~眼福。

トム・ビリー(黒田大輔)
この人はマイクいらないんじゃないかと思う位の大声が印象的(笑)。マイケルに向かって放つ「なんでいつも俺なんだ!」
で表出した彼の苦悩にはっとしました。カーテンコールで捌けるたびに、丁寧なお辞儀でドアを閉める姿に、黒田さんの平素のお人柄がしのばれる。

カレルマ(町田マリー)
カレルマは合衆国の擬人化かな。自由という大義のため人の命を奪い続けるIRAと合衆国、両者の間に大差はないのではないかなと思うようになりました。だとしたら、自由って何だろうね。

エリザベス(明星真由美)
イギリスに対して、女性蔑視に対して、戦い続けて倒れた女性。彼女の最期はあまりに突然やってきて、それだけにやり切れなさを感じました。2幕が始まってもしばらくの間、エリザベスのことが後を引きましたね。

フランク(小林勝也)
で、エリザベスのエピソードで受けたショックを見事に忘れさせてくれたのが、フランク。「だな」「だな」が口癖のぼう~っとした田舎のおじいさんかと思いきや、とにかく怖かった。この人が放つオーラで客席は凍りつきました。いぶし銀の魅力。

コスモポリタンなNYでもアイリッシュはゲイに不寛容だったり、IRAの中でも女性蔑視があったり、経済的に成功しても家族は不幸だったり・・・IRA兵士の日常という異色さに最初は目がいきますが、もっと普遍的なものを描いている作品でした。だからずっしり迫ってくる。何度もリピートする気力・体力はないけれど、すごくいい時間を過ごさせてもらいました。

そして、浦井祭り始まるよ!

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